ババアの手打ち文字そば

オモコロさんでやっている文字そば(1000文字くらいのエッセイ)やりたくて

高知で美味しいお店に出会えた話

推しカプが高知出身なので、飛行機を乗り継いでまで旅行に来ている(飛行機が遅れたので総移動時間7時間半)。コスパが悪いなと思うが推しの出生地は変えられないので仕方がない。

高知と言えばひろめ市場にどうしても行きたく、二泊しているのだが同タイミングでご旅行をされていたフォロイーさんたちのご厚意でどちらの晩御飯もひろめ市場でゴリゴリに喫食した。

それは話に夢中でほとんどメシの写真を撮っていないため割愛するが、二泊目の昼に繁華街の寿司屋のランチをキメたので備忘録を残しておく。珍しく今回は記憶を無くしていない。すごい。冷静なレポートに期待だ。

 

■お店について

www.umasushi.net

ここ。須崎ご出身のご主人と、東京から移住された奥様とおふたりで営まれていて、今年で八年目を迎えるとのことだった。八年って、かなり人気がないと続かないのでそれを聞くだけで良いお店なんだろうなというのがうかがえた。

今回は最近はじめたというランチコース税込11,000円で予約。お店の雰囲気がすごく良い。おしゃれすぎて前日店の前通ってるのに気付かなかった。

おしゃい

中もおしゃい

■先付

もう優勝

マスカルポーネいぶりがっこ

うめくらげ

地牡蠣のオイル煮

ほたるいかとぬた

 

鉄板から地元っぽいものまで。

うめくらげって全然食べないんだけど、こっちはたくさん食べるのかひろめにもたくさんあった。そして美味しかったので帰っても飲み屋で見つけたら発注したい。

高知の牡蠣のオイル煮はすっごく牡蠣が小さくて可愛い!味はしっかりぎゅっと牡蠣の味が出てとてもいい。普段身がぶりんぶりんのミルキーなやつを食すことが多いのだけど、私はこういう貝味しっかりしてる小ぶりな牡蠣が好きなのでめちゃ嬉しい。

感動したのはほたるいかとぬたで、ほたるいかは蒸し揚げ専用の機械で蒸されている。ひとくちに頬張って、頭のあたりに歯を立てるとぷつん!と歯触りよく弾けるような食感と共に中のスミや肝がじゅわ、と溢れる。咀嚼すると身の味の濃さとそれらが渾然一体となってまあえらいうまい。

そして、そのあとから追いかけるようにぬたの穏やかな酸味と味噌のほのかな甘み。あまりに美味くて頼んだ土佐しらぎくを飲み込んだ後に、口の中にふんわりとたちのぼるぬたに含まれたにんにくの葉の豊かな香り!あと引くそれだけで酒が飲めるほど食べた後もずっと美味しいが続く。こういうの!酒もメシもこういうの好きなの!もっとちょうだい!!

 

■土佐ジローの卵の茶碗蒸し

贅沢でビビっている

上にキャビア乗っとる

このキャビア、宮崎のものとのこと。硬すぎず柔らかすぎずで食感も良く、味もサラッとした濃厚な脂のようなクリーミーさに穏やかな塩気。うま 高そうだけどご褒美で食べたい系

土佐ジローの卵も私の好きなクリーンでスッキリしているタイプ。お出汁も変な味をつけずにシンプルで控えめな香り、だけど旨味はちゃんとある。好き〜〜〜

具はうなぎと海老。うなぎが特に香りがつよく、全く嫌な感じではなくてあのうなぎ独特の皮目のあたりのいい風味だけが強調されたような芳香が鼻から抜けてまたそれだけで死ぬほど酒が飲めるってわけ

これを食べてここのご主人、鼻がめちゃくちゃ良いなと察知 当たりだ

 

■すまがつおのはらんぼのたたき

これもっかい食べたい

はらんぼ(まぐろで言うとトロのとこ)という呼び名があるのも今回知った。普通の鰹より小ぶりなすまがつおのその部位を、藁ではなく松葉焼きにしたたたき。脂がヤバそうだなと思っていたが炙られる時にある程度落ちているのと、脂自体の質が良くてくどくない。スムースで静かな甘さの脂、口の中に広がる香ばしい香り、飲み下したあと口の中にわずかに残る松の葉の香りでさらに脂が嫌にならないように設計されている。素晴らしい。

赤身のたたきとはまた全然違う贅沢さだった。あと松の葉はご主人のご自宅の松の葉を乾燥させて使ってるとお話いただいて、さらに良いなー!となった。すてき。

飯と関係がないが松葉の話になった時に今日は朝桂浜にという話から今回は他にどのあたりを観光で?という流れになったので正直に「岡田以蔵の墓に墓参りに行って沢マンを見てきました」と報告したところ、「お〜以蔵さんのお墓!しぶいですね〜」と言われてニチャ!となった。オタクなので他人の以蔵さん呼びに弱い

 

■お寿司

ここからお寿司スタート。

お父様の代は須崎で魚屋を営まれていたようで、須崎のお魚も色々いただけた。

適切なタイミングでお寿司を供されるのでメモする余裕が無くなんかちょっと聞き間違ってるかも知れん

 

・ほうぼう

須崎産。熟成13日目で軽く昆布締めに。

丁寧に管理されていて嫌なにおいはひとつもせず、魚の味がぎゅっと凝縮され、皮目の方の魚香も涎を誘う。

シャリは赤酢。サイズはかなり小さくて、仕事したお刺身に味のバランスを取るための酢飯といった趣で、「酒のつまみ」感が強いのが私にとってはサイコ〜!!って感じで優勝した シャリの大きさどうですか?と聞いてくださったので、物足りない人はもう少し大きくとか言ったらやってくれるんじゃないかな

 

しまあじ

これも須崎産で熟成14日目とおっしゃっていた気がする 身の歯触りが絶妙。鮮度が良すぎるとサクサクしすぎるし、鮮度が落ちると嫌なにおいが出てだらしなくなる魚だと思うが、これは歯を立てた時に程よいサク感を残しながら滑らかで熟れた食感。噛んでて気持ちがいい。もちろん味も濃くてうま〜い うれし〜い

 

アオリイカ

イカって鮮度ゴリゴリ良い透明な硬いくらいのやつも美味しいけど、寝かされて柔らかくまったりとしているやつの方が味としては良いと思っている派閥である。

こちらも日数忘れたけど寝かせていた子で、口に入れるとむっちりもっちりとした官能的な食感を噛み締めるごとにどんどん甘いイカの味が深く濃くなっていく。上に乗ってる確かイタリアの塩が甘さをさらに引き立ててくれて無限に噛みたい ガムにならんかこれ(語彙無し台無しおじさん)

食べやすく包丁を入れてくれているのが目にも綺麗でとてもえっちなイカだった。好き

 

・まぐろづけ

千葉の方の生本鮪ちゃんだったはず 味の入れ方が優しくて、上に振ってあるゴマの風味も良く死ぬほどたくさん食えそうだった マジで10個くらい食えそう 飽きのこない仕事ってすごいな〜

 

・土佐鴨

見てるだけでよだれ出る

酢飯チラッチラッ

私は美味い鴨肉がすっごい好きだ(あんなに飯を外で食っていながら普段あんまり鴨を食べていないのは美味いちゃんとした鴨肉を出す店がほぼ無いからだ)。今回このお店を選んだのはこの土佐鴨というものが食べられるからというのが7割くらいある。

鴨の肩肉だったかな……を塊でローストに。仕上げにバター。もう焼いてるそばからはちゃめちゃに美味しい匂いがしてそれで酒をパカパカ飲んだ。

薄く削がれた肉がもりもりで、その下はなんと酢飯が鎮座しているので肉寿司アレンジのようなものになっていた。上からお肉を食べていってお酒を飲み、最後はお寿司として食べてねと言われて最高すぎてニチャ!した

肉が信じられないほどしっとりしていて、なんだろう、シルキーな目の細かい滑らかな口当たりを感じる。噛めば鴨肉のあの味がめちゃくちゃに濃い えっこわいなにこれめっちゃうまいガムにしたい

脂は噛めばじゅわっと肉汁と脂の間のようなエキスが湧いてきて、もうとにかく上質な癖のない甘さと旨さが一緒に口に広がってわや わやですこれ(北海道弁の方のわや)なんもわからん IQマイナス3

薄く削いでいるのもあると思うけれど、こんなにしっとりして美味しい鴨は初めて食べた

聞けば土佐鴨はそもそも数が少ないし、ほとんどが県外に出荷されて地元の人間も食べたことのない人が多いらしい。たまたまご主人のお知り合いが土佐鴨をやっているので、そのツテで開店からずっと扱うことができているとのこと。

やっぱり人脈がものを言うんだ世の中 知ってた(コミュ障の遠い目)

 

・いしがきだい

熟成13日目。タイも鮮度と身の感じ好みあるよね わたしは寝ててぶりぶり感とれてる方が好き

なんか炙ってくれてた気がするんだけどなんかちょっとこの辺りから記憶が……

鯛は身の味が好きなので食べられて嬉しかった

 

・たいらぎ貝といくら

聞いたことはあるけど食べたことない貝だ!と思ってテンションが上がった 繊細なホタテみたいな味と食感だった気がするんだけどチョトこれも記憶が…

海苔で貝と塩漬けいくらを巻いて食べるやつなんだけど、海苔も適切なパリ感と磯の良い香りで海苔がうめえみたいになってしまった

 

・カワハギ 肝醤油

写真下手くそ選手権優勝しててクソ

大好きな三文字熟語「肝醤油」 もうそれだけで優勝しています 他に言葉はいらねえ

 

・中トロ

うめえ寿司屋の赤身とか中トロってほんとうめえよな 回転寿司のももちろんうまいけど もうジャンルが完全に別 特にこういう赤身の綺麗な中トロ出してくれるとこだ〜いすき

まぐろ独特の酸味も目立ちすぎず大変素材が良いんだな〜と思いながら酒をバカバカ()

 

・むらさきうにといくら

確か青森の大間の子だと聞いた気がする 北海道の方にウニ出すの緊張しますとおっしゃってて笑った まともな寿司屋で食うウニは良いやつが入ってるので間違いなく美味いと思います

こっちに乗ってるいくらは醤油漬けだった!美味しい〜んまい〜今年の夏もうめえウニたくさん食いたいわね…となった

 

・おまけ ばふんうに(室蘭)

握ってもらいながら、結局良いものは東京に行くしその辺には出回らないから、下手に市場とか港とかで直販するより信頼してる小料理屋の店主に美味しいやつ入れてとお願いしてしっかりした仲卸にこの店に変なもん入れられないよなという配慮をされた上で入荷されるものを食べるのが絶対に間違いはないですよねという話で盛り上がっていたらこのバフンウニは北海道は室蘭からやってきた子でせっかくだから食べてみませんかとご厚意で出していただいた。最盛期の甘さには至らずとも普通にうめえ 今年はバフンウニもたくさん食いたいわね


■〆 鴨出汁のつけ麺(お素麺)

汁が旨すぎて素麺の話を聞いたはずなんだけど全然覚えてない なんか細いって話しか覚えてない ポンコツ

でも本当に汁が美味しすぎてまたそれで無限に酒を飲んでいた これ2ℓペットボトルで売ってねえのか?

 

■お酒

特段珍しいものは飲んでないがこの辺りで結局3合くらいいただいたかな

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■総評

実はもう一品いただいているんだけど諸事情鑑みてあげておりません お酒入れて15,000円くらいかな?大変大満足でした めちゃんこ良かったのでまた必ず行きたい こんなお店この価格で近くにあったら毎月一回は行くな〜すげ〜うらやまし〜