なんと仕様的にすげ〜前倒しで入稿したので5月5日のイベントの新刊なのにもう手元にあってこれが書ける 奇跡か?
いつもの装丁メモです。
■ゴールイメージ
オーソドックスで、とにかくイラストが映えるもの。
今回生まれてはじめて自分の本の表紙を自分以外の方に描いていただく運びとなったので、いただくイラストが最大限に印象的に見え、かつ中身が官能小説なのでそれも伝わるような表現を目指しました。
◼️仕様
判型 :B6
頁数 :200頁(表紙含む)
カバー:ヴァンヌーボVスノーホワイト105k/フルカラー
表紙 :ヴァンヌーボVスノーホワイト175K/フルカラーRGB/ベルベットPP
遊び紙:ファーストヴィンテージスカーレット
本文 :淡クリームキンマリ72.5k/モノクロ
加工①:カバー箔押し(アバロンシルバー)
加工②:表紙エナメル加工
版面 :右綴じ42字×18行約80,000字
印刷所:プリントオンさん
◼️カバー
今回わたしは大ポカをやってしまったのですが、仕上がりはめちゃくちゃ「美」だったので怪我の功名ってこういうときに使うんだ…!という気付き
タイトル文字は既存フォントをベースに濁点の配置や繋がっている部分の処理の足し算引き算を行い、シンプルでありながらタイトルの通り、粘度のある水気を感じる表現を目指しました。
兎にも角にも頂戴した最高イラストに視線がいくように、邪魔にならないその他部分を目指し、デザイン部分は私にしては珍しく試行錯誤しました。
印刷はタイトル部分は箔押し加工で、アバロンシルバーという箔を使用。アバロン=鮑の貝殻の内側をモチーフにした箔で、面で使うとそれがよくわかるのですが、今回は敢えて細めの文字に使いました。これくらいの太さがあればおそらく普通の銀箔とは全く違って見えるだろうと踏んでのチャレンジでしたが、思った通り、銀箔だと思うと違和感がありつい何度も傾けて見てしまう不思議な光り方を呈します。今回も想定ピッタリ 敗北が知りたい
と思っていたらど敗北したんですけどカバーは本当はRGBフルカラーになる予定だったのですが、最初の見積時にヴァンヌーボを選択するとプルダウン上で見積ができなかったのを失念しており通常のCMYK掛け合わせでの印刷になっています。オンちゃんに言いたいことは色々あるのですが上がりがむしろ良かったのでヨシ!!
◼️表紙
カバーをかける本って、あまりカバーを外して表紙まで見る普通の人っていないと思います。オタクは色々知ってるから確認すると思うけど
でも今回の本のふたりは「外面と内側がめちゃめちゃ」なので、そこを端的に表現したく、カバー=外面のふたり、表紙=内面のふたりを対にして、「カバーを剥ぐ」という行為に意味が出るようにしました。
綺麗な外面を剥ぐと、どろどろのどうしようもない中身が露呈する。どういうこともない単調な仕掛けですが、いただいたサイコーピクチャーの「落差」をわかりやすく徹底的に楽しめる、最適解だと自負しています。
表2-3自体にも手触り感が発生するので、PPをかける上でも妥協せずにヴァンヌーボを使いました。かけたPPはベルベットPPで、あのしっとりとした桃の肌のような手触りを生っぽく伝えたいと思って選定。
その上から、エナメル加工という他社だとニス厚盛りとかスポットグロスとか言われるような、クリアインクを熱硬化する加工を施しました。
タイトルと汁気がうるつやになっています。
ぜひお手元に届いたら舐め回すように見てくださいね。
さらにもう少しえっちに出来そうなのでまた機会があったらえっちな絵描いてもらお〜!
◼️版面
42字×18行。エロ本でアホみたいなので少しいつもより詰めてますが、個人的にゆったりと読みやすい版面が各サイズ見つかりきったので一安心です。フォント変えるとまた微妙に変わるから調整いるけどね…
◼️その他
遊び紙のファーストヴィンテージスカーレット。ほんとこれすき
あと中表紙良い感じになった
目次はこんな感じでシンプル
◼️備考
今回はマジで他の人に絵を描いてもらうためにした考え事や作業がワンストップのものと比べてけっこう莫大にあったので、別記事でそれもまとめようとおもいま〜す!