過去最高にギリギリに入稿したというか基本印刷されないと思ってたらなんとかなった、2024年12月1日Dozen Rose Fes.2024で頒布した本の仕様まとめです。
■ゴールイメージ
貞操帯が作中に出てくることと、攻くんの受くんを誰にも渡さないという強い妄執のような冷えた熱情と、シリーズとして「籠(ケージ)」がモチーフであるということもあり、企画当初はハードカバーのブックケースに自分で鍵付き日記の南京錠を取り付ける特装版と、通常版としてこのような仕様を考えていました。
が、印刷所さんへの問い合わせで色々と妥協できない部分が再現できない→箱類をつくる会社複数社検討するものの単価合わず+それでも妥協したくない部分が解消されないことがわかったので、物理的にこの仕様は断念し、以下仕様に変更。
廃盤用紙を多数希望視していることと、これがラフなので仕上がりは調整して変更している部分もありますが、基本はこちらに則って制作開始。
◼️仕様
判型 :B6
頁数 :140頁(表紙含む)
カバー:レザック16瑠璃/特色1C(金)
表紙 :色上質(白茶)/スミ1C
遊び紙:クラシコトレーシング45k
本文 :美弾紙ノヴェルズ
加工 :カバー箔押し(ピンクゴールド)
版面 :右綴じ40字×17行約50,000字
印刷所:ブロスさん
■カバー
皮の質感を出したく、印刷所さんで印刷可能で最も皮っぽいレザック16を選択。
多数の色が廃盤になっており流通在庫しかないのですが、手配がついたので使えました。(本当はニューウエブロンカラーという紙が一番理想だったですが、相談したところ分厚すぎて通常印刷機を通らないためNGが出てこちらに変更した経緯があります。。。本当にこの本はやりたいことを出来る形にするのに骨を折りました。。。)
香港マフィアパロということもありなんとなく赤のイメージがあったのでこのカバーも最初は真紅あたりにしようとしていたのですが、実際に紙を紙屋に見に行き、裁断済みになっていたものをいくつか購入してカバーサイズに折り込んでみたところ瑠璃の方がなんとなくしっくりきた(本文の攻受パワーバランス的にキーカラーが青系統の方が良かった、というのが正確な理由かと思います)ので思い切って瑠璃の方を採用。
表1部分の図柄は箔押しで、これも用紙が赤であれば通常金かつやけし金を想定していましたが、ピンクゴールドに変更して大成功でした。花や葉の細かいところは過去のブロスさんの傾向からところどころ潰れるのを想定してこの細かさでわざと入れました。大成功。
また、箔は金額計算が面積に依るため、背と裏の文字・ロゴについては箔利用はしないと決めていましたが、地色が濃くCMYK掛け合わせの擬似金色では視認性が確保できないと判断して、特色金インクを使用に変更しました。
■遊び紙+口絵
素敵なイラストをお願いできることになったもののカバーのイメージが出来ていたので、今回は口絵という形で組み込ませていただきました。わたしのカスみたいなラフがとんでもなくえっちなことになってアウトプットされてきたので、こんなんカバーめくって最初に見たらオタク死ぬわと思って心の準備をするためのクラシコとレーシングを挟み、ぼんやりとですがしっかり「ヤバい」ことが透け感の奥に伝わるように。余計にえっちな感じになると思ったんですが現物を見たらやっぱり余計にえっちになっていたのでとても嬉しかったです。
元々は遊び紙をキュリアスTLイリディセントという半透明で偏光する紙を使いたかったのですが、こちらも廃盤、流通在庫もなしとの回答だったため、遊び紙をクラシコに偏光し、口絵用紙をミランダスノーホワイトにすることで夢のようなきらめきを表現しています。
しかしミランダって使い勝手の良い紙だな〜
■表紙
表紙はシンプルで問題なかったため、コスト調整の意味も込めて色上質にスミ1c印刷に。色上質の薄茶という色が市販文庫本の表紙に似ているので何もない時はそれを採用するのが好きです。
■中扉・章扉
クレマチスの花言葉に「甘い束縛」というものがあるというのを見つけたので、今回はカバー・表紙・中扉・章扉すべてにクレマチスの花うぃあしらっています。
■本文
ああ美弾紙ノヴェルズ、B6判のこのくらいのボリュームのときの手触りやめくり心地が最高で用意がある印刷会社さんであれば絶対使いたい
あと版面はカバー先行入稿なので背幅が全然決まらないままえーいこのくらい書ける!→全然時間ないですのいつものやつをやったのですけべメインの本にしてはフォントがデカいです。でも間抜け感なかったし余白とのバランスも良かったから今後はこっちの組み方でいこうかな〜
■その他
油断したら割増の枠が全部埋まってキャンセル待ち戦争をする羽目になったので出来れば次回本出すことがあればそれはやめたい 気になって仕事が数日あんまり手につかなかった