なんと原稿チキンレース最後尾が得意な私が理由あって良い子ちゃん脱稿をしております。
早くしないとやったことをもう忘れかけているので、まだ誰の手元にも届いていない2022年一冊目の同人誌をつくったのでそれの装丁などをメモしておきます。今年はあと7月と8月と上手くいけば12月にも推しカプのオンリーが開かれるという神がかった一年なのでやる気が続く限り同人誌をつくろうと思います。
※苦労話を挟んでるからめちゃくちゃ長え 暇な時に読んで
■ゴールイメージ
アダルトビデオオマージュ。それのみ。どこまで本ではないものに雰囲気を寄せられるか、私の得意な分野でのお遊びなのでアイデアに迷いがない分技術が追いつかず苦労しました。
そもそも昨年12月に原稿ハイが抜けきらず急に推しが逆バニー着てるところがドチャクソに見たいな…と思い、作画資料として逆バニーを検索したところAVのパッケージが上位に来たのを見てなるほどゴローさん顔でイラストを描いたのがはじまり。
あれよあれよと言う間に舞台設定として男の勤めるセクキャバ（というより女も普通にいけるセクキャバがあればなというお気持ち）が思い浮かび、丁度12月の新刊で押され気味の受を書きまくっていたことから、今回は押せ押せの受を書きたかったこともあってこれで新刊を作ろうと思い立った次第です。
■仕様
判型 ：新書判（W105×H175）
頁数 ：320頁（表紙含む）
カバー：ホログラムペーパー195Kクリスタル/
フルカラー+白印刷/クリアPP
表紙 ：コートカード180K/フルカラー印刷/
クリアPP
遊び紙：色上質黒（前後）
本文 ：コミック紙クリーム/モノクロ印刷
ケース：スリップ縦型/高透明フィルム300μ/
フルカラー+白印刷
加工①：小口側2ヶ所角丸製本
加工②：小口染め
加工③：シュリンク包装
版面 ：右綴じ42字×15行約11万字
印刷所はプリントオンさん。小部数対応の特殊加工の豊富さは業界随一ではないでしょうか。
とんでもなく値の張る加工をこれでもかとやりまくっています。ボーナスが出なければやりませんでしたありがとう労働
■全体
納品形態はこれ。
本体の上にカバーをかけ、その状態でブックケースに収めたものをシュリンク加工しています。
エロビデオとかエロ本とかの新品を「開封」するときの雰囲気を出したかったのと、最近とらのあなくんの通販は規格サイズ外だと発送に時間がかかるけど袋詰めしておけば規格サイズ並みの処理をするぜキャンペーンをしているのを見かけたので、少し作業負担が減るようであればと思ってシュリンクをかけました。
※本日とらちゃんから連絡があり、本体以外のものは基本おまけ扱いとのことでブックケースはおまけ申請が必要だったらしいです。。全部セットアップ済みだからそのまま受領してもらえたよかった
■ケース
市販のちゃんとしたビデオは立派なケースに入っているのですが、家庭用のビデオや昔ジャンプの全員応募で買えたOVAとかはこういうプラケースに入っていました。
立派なケースをつくる財力がなかったので、こちらの簡易タイプを採用。
紙…というかもう商品名がフィルムって書いてるけど チョト薄いんだけど背に腹は変えられない🙄元々は真っ透明なので、ケースらしさを出すために天地に黒を引いて、ケース全体に格子柄を薄く入れています。このくらいの白版は意味がわかる
もう少しピッチリサイズ合わせてくるのかなと思ったら結構余裕があったんだけど、個体差とかあるのかな…🤔まあ出しやすさのことを考えたらこのくらいになるのかもしれない
思った五倍くらい傷つきやすいので優しく扱ってあげてください♡
■カバー
これな
め ち ゃ く ち ゃ苦労した
からちょっと俺の話を聞いてくれんか？？？？
私は文字書きなので絵は本当に手遊び程度にしか描かないのですが、また表紙を自分で描く羽目に陥ったんですよ なんで？引っ込み思案のコミュ障で進捗管理ができないから
それはさておき元々描いていた絵の顔がはちゃめちゃ気に入ってたのは良いんだけど先ず身体をまともに描く段階で詰みました🤔そうか私は男の筋肉を描いたことがないな…🤔と気付き、とりあえずず〜〜〜っと男の筋肉の写真を見続け大体のポイントを履修。次いで二人以上の人物を同じ平面に置いた絵もまともに描いたことがないので、デッサン人形を買い画角を模索し、なんとなく当たりがついたところで今回のAVパッケージらしいタイトルデザインでまた詰んだ🙄🙄🙄ので今度はファ○ザで無限にAVのパッケージ見続けて「AVらしさ」の要素を抽出する作業を実施。
・フォントは明朝、ウロコやハネ払いが立派なものが映える
・ネオンライト加工（白で書いたフォントをラスタライズ→コピーし下のレイヤーのみ色変更→好みの値でガウスぼかし、この二つのレイヤーの間にぼかしをかけない色変更したフォントを挟むとより輪郭が際立ってタイトルの視認性が増す）
・プレイの推し部分は表紙にタイトルと別でワンポイントとして突っ込んでおく
・うるせ〜画面の中でも女優の身体を邪魔しないタイトル文字配置
あたりを押さえると相当それっぽくなることがわかりました。今後AVパッケージネタをやられる方は是非参考にしてください。
で、タイトル調整しながらまた人物の配置調整をしつつ色塗り 色塗り また筋肉との戦い ず〜〜〜〜っと筋肉を見ながら影のつき方を確認し着彩 やったことのないこと マジで苦労しかないな🙄
そんでさあ 表紙が終わったら裏 も あ る🙄🙄🙄🙄🙄
AVの裏面も特徴的なのはご存知だと思いますがあんなカット数絡み絵を描いてる余裕なんてどこにもないんだよば〜か！ということでこれもそれっぽさを損なわないような要素だけ抽出して実装。たまたまなんか絵がすらすら描ける日が作業日だったので怒涛の4イラストを一日で仕上げて終わりにした 右下のやつはトレスオッケーの素材集がなければ存在しなかったです
背表紙は最後に背幅が決まってから作ったのですが土壇場でページ数が増えて地獄の1mm調整をした 頭がおかしくなるかと思ったし白版がずれたデータ入れててプリオンちゃんがチェックしてくれてほんと命が助かった こんな本のデータチェックさせてマジでごめんなさい
って感じなの
俺の苦労話を聞いてくれてありがとアロエリーナ😘
で、ここからは技術的な話に戻りますが、今回のカバー用紙はホログラムペーパーにカラー＋白印刷のため、カバーデザインが終了したら続いて白版の制作（グレスケ）を行います。
カラー版の下に白版を引くことで、地の紙の色や模様の反映を消したり抑えたりすることができます。それを駆使して、擬似ホロ箔押しみたいにしたり（箔は面積比で金額が変わるので、全面箔押ししたいけどお金が…という場合にこの擬似箔押しを採用するなど使い方次第で加工の幅が広がるってわけ）、上に乗る色の濃度差で色味やキラキラ具合を調整したり、と使い方でいろんなことができる 楽しい
今回この紙を採用したのは「人間でも手一杯で原稿も終わってねーのにさらに背景を描きたくない」という短絡的な理由です。フリー素材の背景画像をお借りした上で、それをキラキラさせて夜の店感を出すのに使いました。元々の画像をぼかしまくってるからほぼキラキラしかわかんねーけど全然OKです 理想
プリオンちゃんはホロペーパーの見え方の参考画像をあげてくれているのでこれを目安に全部直感で調整しました。こういうのひとつ置いといてくれるだけでほんと安心して作業できる〜
https://www.print-on.jp/doujin/comic/price/hologram_set_new_tukaikata_1.htm
■表紙
元々カバーかけるつもりなかったんだけど思いついてしまったので…
ビデオにした 現場からは以上です
■本文
初めて角丸加工と小口染めをやりました。やらないより更にビデオ味が増すので…
ちなみにプリオンちゃんの見積機能はすごく優秀なのですが、加工と加工がバッティングすると選択不可になってしまうものがあるらしく、自動見積で小口染めが選択できない事象が発生。なので基本見積を自動でやった上で、この加工とこの加工は仕様上共存できますよね？自動見積だと選択できないんですが…と確認しながら最終的にオーダーメイド見積をかけました。
今回用紙は敢えてめちゃくちゃ嵩の高いコミック用紙を使っています。ビデオテープの規格サイズはW105×H180×D25なので、それになるべく近付けたいという仕様上の選択です。いつもの文庫用の書籍用紙（55〜62K程度）なら厚さは15mmくらいで済んでるので、紙圧の差ってすごい
無駄に分厚いが紙の引っかかりやしなやかさはあるので捲りやすさはこっちの方が良いかも 受の尻だと思って最初丁寧に優しく全体を開いて慣らしてから読んでほしい あとこのくらい版面ゆったりしてると可読性も高いしユーザーフレンドリーだなと思った
■遊び紙
最初入れるつもりなかったのですが、店の中に入るイメージに近いものをと思って黒の色上質を挟みました。これ挟んで良かった なかったら入りの感じと終わりの余韻ちょっと違うと思うくらいの余白感がある
■番外 扉類デザイン
この辺もいつもより時間をかけて仕込んだので、届いたら楽しんでもらえると嬉しいです。
ちなみに今回は3/21合わせで2/21入稿→3/12に納品だったよ プリオンちゃんいつも早めに送ってくれてありがとう😊
ではこれからスペース造作のもろもろを買い出しに行ってきます😊
