8月にも通算4冊目になる本を出したのですが、基本仕様が備忘録(1)のものとほぼ変わらないので備忘することを備忘するという備忘っぷりでした。今回は備忘しないようにすぐにしたためます。
5冊目の本です。これまでの本はすべて文庫版でしたが、入稿にも慣れてきたことと、少し凝った加工を使ってみたいという欲望から、判型ありきでなにか本にしたいな~とうっすら思っていたところ中身のないクソどエロが降ってきたので、これ幸いとばかりに本にしました。
■仕様
・B6変形(118×182mm)
・約50,000字/112ページ(表紙込)
・27文字×25行
・カバーなし
・表紙:4C / コートカード180K+マットPP+エナメル加工
・遊び紙:トレーシングペーパー(ホワイト)
・本文:1C / コミック紙クリーム
印刷所はプリントオンさん!
■制作の経緯とか
私はツリーと言われる文化をこの界隈に来て初めて知ったこともあってか読むのも書くのも下手なのですが、たまたま脳内に降臨したネタがわりとしっかりラストまで見えきっていたことと、メモとしてツイートしていたものが結構なボリュームになったこともあって、いっそ最後までこの皆がツリーと読んでいる体裁で書ききってみよう、という挑戦をしたのが制作のきっかけです。
9/24にはじめのツイートをしてから10/3で約40,000字にて完結、その後約8,000字程度の書きおろしを書き表紙を拵え10/5には入稿完了という意味のわからんスーパーハイペースでつくりあげました。え…普通にすごない??気のせい??
私はどこかの表現で詰まるとかなり遅筆になりがちなのですが、今回は
・意識的に一日の中で作文する時間を決めきっていた(昼休み1h+夜平均3hほど)
・ツイッターに投稿する=リアルタイム閲覧者が発生するため、シーン区切りを意識してそこまで書ききらねばという強制力が発生した
・地の文の言葉の装飾がほぼないので、そもそも詰まる要素が極端に少なかった
・純粋にヘキにめちゃくちゃ正直なメモだった
という4点がめちゃくちゃ相乗効果高かったんだな、と分析しております。
■ゴールイメージ
二点。
①悪癖というタイトルと、中身のしるだく感を上手く表現したい。
②所謂ツリー体裁のものをそのまま本にするので、「横書き」を活かす判型にしたい。
①については当初タイトルがなかったのですが、本にしようと思った時点でこれしかない、とタイトルを「悪癖」で即断。坂本の悪癖でもあるんだけどどちらかという私の悪癖、という意味合いを示したタイトルです。ほんとこのカップルどすけべでモブをわからせる謎のヘキどうにかなんねえかな
内容は文体とスケベシーンで誤魔化しているもののただのバカエロギャグなのですが、本当は隠さなければならない薄暗い秘め事が重なっているイメージを出したかったので、表紙は使って見たかった黒い紙(ファンタスに憧れがある)にしよう、と決断。
タイトルの文字入れ作業で点を雫に見立てる分解再構成をしたので、これを活かしたいなと思い黒い紙ではなく、雫の感じを出すためタイトル文字をエナメル加工(UV厚盛)で入れることに変更。
②については元々文庫判以外だとペーパーバック風の体裁で本をつくってみたかったということもあって、丁度横書きと相性も良いし挑戦することに。商品としてペーパーバック判を用意されているのはくりえい社さんですが、UV厚盛加工が部数的に不可だったので、プリントオンさんの変形断裁を使ってサイズを近しいものにすることにしました。
※ペーパーバックは各社でいろんなサイズがあり、およそW110×H178~W152×H229の間の簡素な製本をされた書籍のことを指している様子です。
■表紙(4C / コートカード180K+マットPP+エナメル加工)
前段記載の通り、B6判(青年コミックサイズ)を縦に10mm断ち落として仕上をW118×H182mmにしていただく変形断裁をしています。新書のひとまわり大きいサイズ、といったところでしょうか。
表紙の黒及び背表紙のタイトルと成人指定の文字のみ4C掛け合わせで印刷し、その状態でマットPP加工。タイトルとレーベルロゴはその上からエナメル加工版にてUV印刷をしていただき、その光沢差で文字が見えるようにしています。
データ制作については、断ち落とす前のサイズ(B6)で原稿を作っています。表紙については希望の断ち落とし仕上位置に断裁トンボを入れたレイヤーを用意するのみ。
本文についても同様断ち落とし位置指定のトンボが必要だったのですが、わたしは本文制作ソフトが縦式のため、PDF化したものをAIで再編集?全頁?やりたくねえわ表紙で位置指定してるからそれと一緒に断裁してくんねえかなという淡い期待を持って問い合わせしてみると、予想通り表紙で指定ができているなら、本文は原稿内容が切れないように制作されていればそれで構いませんとのご回答をいただいたのでお言葉に甘えてそのまま入稿しました。
■遊び紙(トレーシングペーパーホワイト)
保健室のベッドを区切るカーテンをイメージしたく、薄ら奥が透けるイメージでトレペホワイトを採用。
■本文(コミック紙クリーム)
ペーパーバックのイメージなので、なるべくラフにすべく嵩高で手触りのあるコミック紙を採用。今回各話タイトルめちゃ気に入っているので見てみてする タイトル考えるのと装丁考えるのホント好き めちゃくちゃ好き
■入稿や梱包発送など
プリントオンさんは以前トロンプルイユのコースターを作った時にお世話になりましたが、本は初めてでした。コミックモールさんのゆるゆる入稿&支払(褒めてる)に慣れてしまった私はそもそも支払いしないと入稿できないシステムにビビり散らかしましたが、普通そうだよな
見積~注文もわかりやすく、入稿も簡単で入稿後一時間くらいですぐに不備連絡(あとで気付いて足した成人指定の文字をトンボにかかる位置に配置していた ゴミ ほんとごめんなさい)と、合わせてエナメル版で欠けて綺麗に出ないかもしれない線のアラートまでいただいて大変丁寧だな、と感じました。
すぐにデータを修正するところはして再入稿~問題なく下版。
今回は全部で10営業日必要な工程で予定納品日が10/21だったのですが、1週間前倒しで本日10/14に納品いただきました。早ッ…早いと嬉しいのでこのスタイルめちゃ嬉しい
このくらいゆる~い余白のある本だと頭もゆるゆるでどろどろえっちも読める!版面の設計って難しいけど面白いですね。まあ私の文体だとあまり余裕のある組は合わないんですが…
12月に出す本もこの体裁に揃えての発行を予定しておりますので、引き続き原稿を頑張りたいと思います!