ババアの手打ち文字そば

オモコロさんでやっている文字そば(1000文字くらいのエッセイ)やりたくて

セレンディピティの魔法

2019年2月8日きんきん金曜日、本日の札幌はマジで寒い。まったまたぁ~みんな大げさ…!大げささ…!だって氷点下二桁なんてザラとは言わんけど住んでたらそういう日もあるじゃんくらいに思っていたが、もう皮膚が少しでも露出していたらそこからやられる。肌を刺すような寒さというのは比喩じゃない。ほんとに刺されてる。痛い。頭の毛穴が全部ぎゅっと締まる感覚がわかって、本日のハゲは生きるのがしんどいだろうなと思った。

そんな寒い中、常日頃この地域に住んでいる住民は好き好んで外出しようとは思わないと思うのだが、私には幼い時から困った悪癖があり、それに駆られて必要のない外出をキメまくって(寒すぎてホットモヒートを飲んでから)さっき会社に戻った。
その悪癖というのは「普段起こらないことが身の回りで発生すると体験したくなる」というもので、今回のように天候でいえば、中学生の時の記録的な大雨の時は傘もささずに外をかけずり回ったし、母の故郷の岡山へ盆時期に帰った時は外に出たらいけまーと止められた(今は亡きばあちゃんの岡山弁はいつも優しくてかわいかった)のを振り切って炎天下の宇野港目指して日傘もささずにかけずり回ったし、今日だってマイナス12度を体験したくて不審者みたいなマスク顔で外国人まみれの大通公園に飛び出す始末である。

マジで周囲からはあまり理解を得られないタイプの癖なのだが、はたと思い当たった理由がどうも、職業が企画屋であったり、もともと物を書くのが好きだったからか「自分で感じたことを魅力的に表現する」ために、その一種異様な・特殊な経験をできる限りたくさんしたい!という根源的な欲求があるらしいということだった。
(好きなことは放っておいても知らないうちに自分でたくさん接種してしまうので、珍しいことや嫌いなこと、苦手なことを積極的にやらないと、物書きの腕が上がらないことに加えて生み出すものがパターン化してみるみるうちに萎れてしまう実感がある)

その謎の悪癖であるが、10年位前にうすら流行した気がするセレンディピティという言葉に出会ってなるほど、と膝を打つ思いがした。厳密には意味が異なるが、偶然(本来は聡明さ・洞察力)によって思いがけない発見をする・何かに出会う能力、みたいなものらしい。
そうそう、そういうこと!自分で考えて答えだすのに飽きるときがあって、そういうときに「偶然なんか知らんいいものに出会って体験する」とアウトプットの幅が広がるんだよな。またすぐ固着するから定期的にやんねーとなんないんだけど。

なので、本日は夜も極寒の札幌でジンジャーモヒートを飲みながら仕事を遂行してこようと思います。

追伸:公開前に読み直したらそんな珍しい極寒体験をしてからのアウトプットが「ハゲはしんどい」だったから説得力ゼロだな。