ババアの手打ち文字そば

オモコロさんでやっている文字そば(1000文字くらいのエッセイ)やりたくて

遍在するちんちん

コンプライアンスが遵守される昨今機会は激減してしまったが、昔はよく飲み会でちんちんを見ていた(好き好んで自発的に他人のちんちんを見ていたわけではなく、酔うとちんちんを出したがる男が周りにいただけなのだが)。

ちんちんを出す男にもタイプがあり、ちんちんを絶対に出す男と、周りがみんなちんちんを出したので場の空気に負けて出す男と、死んでもちんちんは出さない男に大まかに分類される。ちんちんを絶対に出す男のちんちんは通常時大変愛らしいサイズのことが多く、空気に負けて出してしまうタイプの男は通常時がデカめでネタにされてしまうことが多かった。個人的にはちんちんの真価は勃起時サイズと固さだと思っているので、通常時のちんちんのサイズには微塵も興味・メリットを感じないが、私の周りにいたおじさんたちは通常時、空気にさらされ可愛らしくプルつくちんちんを披露しあいながら大きい小さいでキャッキャウフフしていて、それはそれで微笑ましいものがあった。当時は幼稚園の先生のような気持ちでそのくだらないやりとりを眺めていたものだ。そういえば上記分類以外に特殊タイプで陰毛を燃やす男がいる。陰毛は燃えると独特のにおいがあって、うっすらと「人が燃える」という怖ろしさを感じさせてくれた。

そんな、呼吸するかの如くナチュラルに周囲にあふれていたちんちんは、コンプライアンスのメスにより、絶滅してしまった。大手を振って出されていたちんちんは次第に上手いことなにかで隠されるようになり、もう今では見かけることもなくなってしまったのだ。

私はあまり色んな人とセックスをするタイプではないので、飲み会で合法的?にさまざまな種類のちんちんを見ることができ、なおかつ「見るだけ」でいられるということは大変ありがたかったから、正直少しさみしい気持ちもある。が、社会的には完全に大間違いなので、結果的に悪癖を正すことができて良かったのではなかろうか。

グッバイちんちん。ありがとうちんちん。